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がん温熱療法施行施設(サーモトロン-RF8 EX Edition)
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がん高圧酸素療法

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がん高圧酸素療法

がんに対する高圧酸素療法(健康保険適応です)

民間療法として行われている酸素カプセルなどでは1.1-1.5気圧程度しか加圧できず、酸素濃度は30%以下(大気圧中では約20%)です。
健康保険適応となる高気圧酸素治療では、2~2.5気圧のタンク内で、100%の酸素吸入が可能となります。
体全体の酸素飽和度を高め、血流障害を改善し、創傷治癒を早めることにより、急性期脳梗塞や腸閉塞、一酸化炭素中毒に使用されることが知られています。一方、がん治療に高気圧酸素治療を使用している病院はごくわずかしかありません。
がんの増殖はその周囲の低酸素環境にあります。
このため高圧酸素療法により、血中酸素濃度を100%にまで向上させ、がんが増殖しにくい環境をつくります。また抗がん剤の効果も向上させて、がんを攻撃する治療法です。

当院では小池メディカル社製高気圧酸素治療装置(心電図、血圧計が設置されていますので患者さんの全身状態を把握しながら治療が可能です)を用い、安全に生体内の低酸素症を改善します。
放射線治療も低酸素状態では効果がでにくいので高圧酸素療法を併用し、やるからには抗がん剤や放射線の効果をさらに高めたほうが良いと考えます。
放射線治療と抗がん剤を同時にやる化学放射線治療はよく行われていますが、高気圧酸素療法や温熱療法をその目的ではあまり活用されていません。
当院ではこの2つの治療方法を組み合わせた治療が可能です。戸畑共立病院からの報告では、非小細胞肺がんⅢ期症例に抗がん剤に加え、温熱療法、高圧酸素療法を併用した症例の5年生存率は36%、胸郭内病変だけのⅣ期の非小細胞肺がんの5年生存率は26%、手術不能とされた膵がん症例に、抗がん剤による治療のみを行った場合の2年生存率は約5%程度とされています。一方、抗がん剤と温熱療法、高圧酸素療法を併用した症例の2年生存率は42%と、標準治療と比較して格段に良好な治療成績がえられたことが報告されています。これは抗がん剤だけではなく、温熱療法、高圧酸素療法という生物学的理論に裏付けされた併用療法を、抗がん剤との併用とともに行う集学的治療の成果であり、高圧酸素療法は重要な役割を担っていると考えられます。以下にまとめます。


高気圧酸素治療装置(小池メディカル社製 BARA MED -EX)

装置内と医療スタッフとの会話ができ、全身状態を管理するための高圧環境でも使用できる心電図モニターと血圧計を備えています(右図)。

高気圧酸素治療をがん治療に使用する意味は、抗がん剤の抗腫瘍効果増感・低酸素細胞の酸素化

抗がん剤投与後の併用
具体的には、アルキル化剤であるnitrosourea系の薬剤あるいは白金製剤では高圧酸素療法による作用増強が実験的に示されています。
一部の悪性腫瘍においては臨床結果がでてきております。進行性非小細胞肺がんではPaclitaxcelとCBDCAの腫瘍縮小効果は15-40%と報告されているのに対して、戸畑共立病院では温熱療法と抗がん剤を施行した患者さんの約80%に高圧酸素療法を施行し、約73%まで腫瘍縮小効果が上昇したと報告されています。

化学療法の増感のためには、抗がん剤投与後当日に行う必要があります。遅発性放射線障害の治療・予防の場合には時間的制約はありません。抗がん剤については、ほとんどのタイプが高気圧酸素療法で増感されることが知られています。
当院では、当院内や基幹病院などで抗がん剤を投与された後、速やかに温熱療法を施行し、その後すぐに高気圧酸素療法を施行しています。
こうすることで、腫瘍内への抗がん剤の取り込みが増加するとともに、薬剤自体の抗腫瘍効果を高めることが知られています。
実験レベルでは産業医大放射線科の大栗先生らが検証を行っています。この結果、抗がん剤単独使用合併症としてまれに耳痛、中耳炎があります。
私の卒業大学である産業医科大学の学生実習で高圧酸素療法の治療を体験することが2回ありましたが、気圧上昇時に嚥下をくりかえすことにより、うまく耳抜きをすることで不快な症状もなく治療を体験することができました。

がん治療の中で特に、膵がんは増加傾向にあるにも拘らず、手術可能な症例が少なく、がんが大きくなって発見されることがほとんどです。同疾患については低酸素な腫瘍であることが抗がん剤や放射線の効果をわるくされているとされています。
このため高圧酸素療法を治療にくわえることで予後の改善が見込まれると考えら得ます。このため今後も積極的に膵がんを含めたがん治療に取り組みたいとかんがえています。

産業医科大学放射線科大栗先生らのグループが実施した動物実結果です。
抗がん剤だけに比べ、高圧酸素療法、温熱療法は腫瘍の増大を抑え、高圧酸素療法と温熱療法の両方を行った場合は、最も効果があることが分かります。
多くの方に、高気圧酸素治療、温熱療法の優れた効果を知っていただきたいと思います。

がんと高圧酸素の関係

がんは熱以外に酸素も弱点です。がん細胞は血流が乏しいため慢性的に酸素不足になっています。
そのためがん細胞は生き延びるために、酸素に頼らないシステムを自然と身につけ成長します。
高気圧酸素療法を併用することで血液中に酸素を大量に溶け込ませ低酸素状態を改善し、がん細胞の成長を阻害します。

高気圧酸素療法との併用効果としては、がん細胞内の低酸素状態を改善し、抗がん剤の増感効果を発揮します。
高濃度酸素で、がん細胞の成長を抑制します。全身の血中酸素濃度が上がるため、体全体に効果が期待できます。

高気圧酸素療法の保険適応となる疾患

  • 救急的適応
    突発性難聴、一酸化炭素中毒、空気塞栓又は減圧症、腸閉塞、急性末梢血管障害、網膜動脈閉塞症、重症の急性脊髄障害、脳塞栓など
  • 非救急的適応
    放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
    骨髄炎又は放射線壊死、難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
    脊髄神経疾患など

平成30年度 診療報酬点数

JO27 高気圧酸素治療(1日につき)

  • 減圧症又は空気塞栓に対するもの
    5,000点
  • その他のもの
    3,000点


注 1については、高気圧酸素治療の実施時間が5時間を超えた場合には、30分又はその端数を増すごとに、長時間加算として、500点を所定点数に加算する。
ただし、3,000点を限度として加算する。

通知
(1)「1」は減圧症又は空気塞栓に対して、発症後1か月以内に行う場合に、一連につき7回を限度として算定する。

(2)「2」は次の疾患に対して行う場合に、一連につき10回を限度として算定する。
ア 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む。)
イ 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)又は頭蓋内膿瘍
ウ 急性末梢血管障害
(イ)重症の熱傷又は凍傷
(ロ)広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
(ハ)コンパートメント症候群又は圧挫症候群
エ 脳梗塞
オ 重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫
カ 重症の低酸素脳症
キ 腸閉塞

(3)「2」は次の疾患に対して行う場合に、一連につき30回を限度として算定する。
ア 網膜動脈閉塞症
イ 突発性難聴
ウ 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
エ 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
オ 皮膚移植
カ 脊髄神経疾患
キ 骨髄炎又は放射線障害

(4)スモンの患者に対して行う場合は、「2」により算定する。
(5)2絶対気圧以上の治療圧力が1時間に満たないものについては、1日につき区分番号「J024」酸素吸入により算定する。
(6)高気圧酸素治療を行うに当たっては、関係学会より留意事項が示されているので、これらの事項を十分参考とすべきものである。

癌治療、突発性難聴に対する治療については3割負担の患者さんでは、酸素を1,500ℓ程度使用しますので、酸素費用を含めて、1回あたりの治療費は15,000円程度となります。

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