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当院からのお知らせ

メニエール病の新しい治療法(非侵襲型中耳加圧装置による)

1. メニエール病とは

耳鳴や耳閉感、難聴などの蝸牛症状とともに突然発症するめまいです。昔からよく知られているめまい疾患の代表的なものです。「めまい=メニエール病」と以前は多くおられました。

2. 原因

内耳のリンパ液が増えすぎることと考えられています。このため内耳が水腫(水膨れ)様になり、メニエール病の症状が起こるとされています。 水腫が起こる原因としては、近年の報告ではストレスや疲労が多くを占めるとされています。

3. 診断

メニエール病の診断は他のめまい疾患とは、一部異なるところがあります。まずは赤外線CCDカメラにより定方向性の水平回旋混合性眼振などのメニエール病に特異的な眼振(めまいがおきているときの異常が眼の動き)がないかを調べます。純音聴力検査では低い音の聞こえが悪くなっていないかを調べます。またクリセロールテスト(高浸透圧の点滴を行い、それにより利尿作用がおき、低音部の聴力が改善するかどうかでメニエール病かどうかを鑑別します)を行います。前庭機能を正確に評価するために温度刺激検査(15℃の冷たい空気を外耳道から送り込み、眼振の起こり方を観察し、前庭機能の左右差をの確認を行います)を行う場合もあります。

4. 治療方法

一般的に、めまいが強い時いは眼振、正式名称は前庭眼反射とよばれますが、これを押さえ込む内服薬があり、これを処方します。また内耳の水膨れを改善させるような水薬(少しのみにくいのですが)などを処方しますが、これらの薬物療法では効果がみられず、めまい発作を繰り返す重症の方(メニエール病診療ガイドラインの重症度分類(表1)に基づく、総合的重症度Stage 4)(表2)には、新たな治療法として「非侵襲型中耳加圧法」(図1)が2020年4月から保険適応となっています。これは内耳機能への負担が少なく、有効な治療法で、チューブを通じで鼓膜面に空気を送り込み、中耳腔を加圧することで内耳に溜った余剰なリンパ液を排出させ、めまい症状を抑えるという、治療方法です。1回3分で、1日2回施行することで、自宅にて治療ができます。原則として、1ヶ月に1回の外来受診が必要となります。このときに、使用状況、自宅にてつけていただいた、めまい日記を持参していただき、治療効果を評価します。

5. 治療効果

半年から1年の治療期間で、8割程度の効果がみられています(図2)。メニエール病はストレス病とされ、できるだけ休養をとることも重要です。治療を受けずに、放置したまま、あるいは再発を繰り返すと、聴力が徐々に増悪し、耳鳴や難聴、めまいが残存してしまう可能性があります。Stage 4(進行期)に該当されるような患者さんがおられましたら、中耳加圧装置による治療もおすすめいたします。当院では2020年8月4日現在にて4名の患者さんに非侵襲型中耳加圧装置による治療をおこなっております。