熊本県宇城市の松橋耳鼻咽喉科・内科クリニックです。めまい、耳鼻咽喉科、内科に対応し、睡眠時無呼吸症候群、舌下免疫療法も行っています。

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江川清文, 松吉秀武:Ramsay Hunt 症候群. 西日本皮膚科 82(6):405-406, 2020
患者:77 歳,女性
主訴:右耳介の疼痛,発赤,腫脹と水疱
現病歴:右耳介に,初診の 1 週間前より疼痛が,2 日前より発赤と水疱が出現した。
初診時現症:右耳介に疼痛,発赤,腫脹と水疱を認めた(図 1 )。末梢性顔面神経麻痺や難聴,口腔内病変はなかった。
初診時診断と治療経過:水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus,VZV)抗原検出キットを用いて陽性であり,耳介帯状疱疹と診断した。アメナメビル 400 mg/ 日分 1 とアセトアミノフェン 1200 mg/日分 3 内服を開始して 4 日後(第 6 病日)に末梢性顔面神経麻痺を来したため,後遺症対策から以後の治療を耳鼻咽喉科に委ねた。第 8 病日,柳原法1) による顔面神経麻痺スコアは 40 点満点中 4 点(高度麻痺).プレドニゾロン(PSL)60 mg/日分 3 内服から漸減し,1 週間後(第 15 病日)に顔面神経管開放術適応の有無が検討されたが,麻痺スコアが 22 点と改善し,神経筋電図検査(ENoG)値が 33.5%であったため1),PSL の予定内服終了後はシアノコバラミン 1500 μg/日とアデノシン三リン酸二ナトリウム水和物 300 mg/日の分 3 内服で経過観察とした。12 週経過時,麻痺スコアは 40 点(治癒)で,疼痛はない。