熊本県宇城市の松橋耳鼻咽喉科・内科クリニックです。めまい、耳鼻咽喉科、内科に対応し、睡眠時無呼吸症候群、舌下免疫療法も行っています。

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  • 松吉 秀武, 後藤 英功:病歴から判断した椎骨脳底動脈循環不全に対する複数の薬剤併用療法の有効性についての検討:耳鼻と臨床64巻3号; 77-86、2018
松吉 秀武, 後藤 英功:病歴から判断した椎骨脳底動脈循環不全に対する複数の薬剤併用療法の有効性についての検討:耳鼻と臨床64巻3号; 77-86、2018
VBIは耳鼻咽喉科診療所においては、確定診断が困難である。また治療方針も確立されていないのが現状である。このため、日本めまい平衡医学会にて作成された「めまいの診断基準化のための資料」の「病歴からの診断」に基づきVBIを診断し、重症度のスコアリング(VBIスコア)を行った。治療は、A群(ATP+塩酸ジラゼプを投与)、B群(ATP+イブジラストを投与)、C群(ATP+塩酸ジラゼプ+イブジラスト投与)に分け内服治療を行った。3群ともに初診時のVBIスコアに有意差はなく、これら3群の中では治療開始から2週後、2週後から4週後ともにVBIスコアの改善に有意差がある群と、そうでない群とが存在していたが、3群とも同スコアは改善傾向にあった。3剤を使用したC群のみは初診時から2週後、2週後から4週後ともにVBIスコアが有意に改善していた。初診時、2週後、4週後のVBIスコアおよびDHIスコアについて3群間について統計を行ったが、それぞれの群間に有意差はなかった。ただし、3剤を使用したC群のみは、DHIスコアが初診時から2週目、2週目から4週目にかけても有意な改善がないにもかかわらず、VBIに特異的症状に着目したVBIスコアが初診時から2週後、2週後から4週後ともに有意に改善していた。また初診時から4週目でのVBIスコアとDHIスコアの改善値について有意差はないものの両スコアともC群の改善値が3群の中では最も大きかった。このため3群のうちC群がVBIに対しては適した治療ではないかと考えられた。